古代アンデス文明の一つ、ペルーで栄えたチャンカイ文化の人物文様の布です。12世紀。
冠の文様は、それをかぶっている人物の身分や階級を表していると解釈されています。
チャンカイ文化の他の布でみられる人物文様の冠（例えば写真2枚目にある冠）よりも、
本品に織り込まれている冠は大きく複雑になっています。
身分の高い人のための布だった可能性があるのではないかと考えられます。
鳥文様の布が比較的多いのに比べ、人物文様は貴重です。
また、本品は左右に異なるデザインの人物が織り込まれており、
特別に作られた布だったのではないかと推測できます。

大きさは縦約17センチ、縦約14センチです。
非常に古いものですので、経年の劣化、汚れ等があります。写真でご確認ください。

参考資料：『ペルー・リマ 天野博物館 染色図譜』（1995年）『芹沢銈介コレクション』（東北福祉大学、2007年）ほか