女人藍像・小妻要刺青美人画集/解説三代目彫よし/献呈署名・伝統を守って仕上げた彫師諸氏の汗の結晶の刺青を模写・額装用複製画三葉付属

商品説明
女人藍像・小妻要刺青美人画集/解説三代目彫よし/献呈署名・伝統を守って仕上げた彫師諸氏の汗の結晶の刺青を模写・額装用複製画三葉付属

1995年。 156P 献呈署名 「額装用複製画三葉」付き。 ゆうメール・レターパック規格外 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

また、小春は夢の世界を創造する。そこに描かれた存在は不朽でし かも用意されており、女体という世界に自分だけの解釈を付与するこ とが許される。小妻は、伝統的なテーマを再生し、またそれらのテー マ(刺青を彫ってもらう人が、他の分野の作品から借りてくる場合が よくある)を人間の肉体という立体面に描く方法を再現してみせる。 われわれは、描かれているのは、古い時代の女たちではなく、現代に 生きている女たちであることを直感で理解している。しかし、女たち の肌に彩られた絵柄は、昔の文化遺産に根ざしたものだ。それらの姿 を皮膚に固定させることによって、女たちは絵柄の命を受け継ぐこと になる。こうして、刺青の昔ながらの呪術性が蘇る。刺青を施した人 格は、絵柄と融合するのである。実際、刺青作品は日本的芸術の複合 的な側面を体現している。いや、刺青は日本の生活そのものだといっ ていい。文様や意味が重層的に組み込まれ、独特の存在感を織りなし ている。部分のそれぞれが、お互いを支え合い作用し合って、織布全 体がとらえがたい微妙なニュアンスをはてしなく発散させているよう である。

小妻の世界の女性たちは、まぎれなく「浮世」の伝統を生き、たゆ たっている。永遠などどこにもなく、知覚できるのは、今ここにある ものだけ。すべてがうつろいゆくのだ。遠い昔、中国の詩人が蝶にな った夢をみた。目覚めた詩人は、自分が「蝶になった夢をみた男」な のか、「男になった夢をみた蝶」なのか決めかねたという。描かれた女 たちも同じ戸惑いのなかにいる。叙事詩や恐怖や美で彩られた女たち の肌は輝き、小妻はその夢までも創造してしまう。芸術的に昇華した ある作品では、刺青を施してない白い肌の女が眠っている。その上を、 飛龍が力強い翼で舞っている。いったい飛龍は、精気が充満した天上 界にもどろうとして女の毛穴から抜け出だしたところなのか? それ とも、女の肌に宿るために、今まさに舞い降りようとしているところ なのだろうか?

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